デジタルと仕事
PR

Geminiの使い方が覚えられなくても大丈夫。仕事が楽になる「下書き係」という考え方

oyajinoryugi
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

新しいツールが出るたびに、「ちゃんと使いこなさなきゃ」と思って、少し疲れてしまうことはないでしょうか。
とくにAIと聞くと、どこか遠い世界の話のようで、つい身構えてしまいます。

もし「Gemini(ジェミニ)を使ってみたいけれど、正直よく分からない」と感じているなら、一度使いこなそうとするのをやめてみるのも、ひとつの手です。

僕の場合、AIを「気の利く下書き係」くらいに考えるようになってから、気持ちがずいぶん楽になりました。
完璧な答えを出してもらうのではなく、自分の考えをまとめるための叩き台を用意してもらう。そのくらいの距離感です。

よく考えてみると、僕たちが仕事の中で身につけてきた
「相手にどう伝えれば話が通じるか」という感覚は、実はAIに頼むときにも、そのまま使えるものだったりします。

道具を「覚えよう」とするのをやめた理由

僕は長いあいだ、設計事務所で仕事をしてきました。
図面を引き、模型をつくり、現場で職人さんと話をする。どちらかと言えば、かなりアナログ寄りの環境です。

そんな中で、新しいソフトや仕組みが次々と入ってくると、以前の僕は「まずは覚えなきゃ」と気負っていました。
マニュアルを開いて、手順を一通り頭に入れようとする。でも、正直なところ、すぐに忘れてしまうんですよね。

あるとき、ふと気づきました。
道具って、本来は「覚えるため」にあるんじゃなくて、「助けてもらうため」にあるんじゃないか、と。

定規や鉛筆の使い方を、いちいち暗記している人はいません。
必要なときに手に取って、自然に使っているだけです。

それと同じように、ITやAIも、困ったときに
「ちょっと相談に乗ってもらう」くらいでいい。
そう考えるようになってから、画面に向かう気持ちがずいぶん軽くなりました。

僕がGeminiを「下書き係」にしている3つの場面

とはいえ、「で、実際にはどう使っているの?」という声も聞こえてきそうです。
ここでは、僕が普段の仕事の中で、Geminiに助けてもらっている場面を3つ紹介します。

1. 気が重い「お断りメール」の下書き

仕事をしていると、どうしても断らなければならない依頼があります。
相手に悪気がない分、言葉選びに悩んで、メールの一行目で手が止まってしまうことも少なくありません。

そんなとき、僕はこんなふうにGeminiに頼みます。

急な工期短縮の相談を受けたけれど、品質のことを考えると受けられない。
相手の立場を尊重しつつ、やわらかくお断りするメールの下書きを考えてほしい。

出てきた文章を、そのまま送ることはありません。
でも、白紙の画面を前にうんうん唸るより、8割くらいできた文章を手直しする方が、気持ちの負担はずっと小さい

精神的な消耗を減らすためのクッションとして、AIを使っています。

2. 分厚い資料を「ざっくり掴む」ために

メーカーの資料や制度改正のお知らせなど、文字が詰まった書類は、読む前から少し気が重くなります。
つい後回しにして、机の端に積まれていく……心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

そんなときは、気になる部分をコピーして貼り付けて、

「忙しいから、要点だけ3つにまとめて教えて」

と頼みます。

まず全体像をつかんでから、本当に必要なところだけ自分で読み込む。
このひと手間をAIに任せるだけで、情報との向き合い方がかなり楽になりました。

3. 頭の中が散らかっているときの整理役として

新しいアイデアを考えているときや、課題が山積みのとき、頭の中はだいたい散らかっています。
メモ帳に書いた単語や断片を、そのままGeminiに投げて、

「これを整理して、メリットとデメリットを出してみて」

とお願いすることもあります。

自分の中だけにあった曖昧な考えを、一度、文章として外に出してもらう。
その感じは、設計でいうところのゾーニングに少し似ていて、僕はけっこう気に入っています。

伝える力は、もう持っている

「プロンプト」と聞くと難しそうですが、やっていることは普段の仕事とあまり変わりません。

  • どんな立場で考えてほしいか
  • どんな背景があるのか
  • どんな形で返してほしいのか

これを言葉にするだけです。

現場で職人さんに説明するときや、後輩に仕事の意図を伝えるときと、実はとてもよく似ています。
新しい能力を身につけるというより、今までの経験を、少し違う相手に向けて使っているだけ
そう考えると、少し気が楽になります。

余白をつくるために、AIを使う

効率化というと、「もっと仕事を詰め込むため」と思われがちですが、僕はそうは考えていません。

浮いた時間で、ゆっくりお茶を飲んだり、外を眺めたり、体を動かしたり。
そういう何でもない時間こそが、仕事の質や人への向き合い方を支えてくれる気がしています。

AIに下書きを任せて生まれた15分で、少し深呼吸をする。
それだけで、一日のリズムが変わることもあります。

完璧じゃなくていい、という誠実さ

AIの答えは、ときどき的外れですし、少し冷たく感じることもあります。
でも、それでいいのだと思っています。

8割できた素材に、自分の経験や感覚を少し足す。
そのひと手間こそが、仕事の価値であり、相手への誠実さなのではないでしょうか。

「使い方が覚えられない」と感じるのは、あなたが雑に扱いたくないと思っている証拠です。
まずは今日の小さな困りごとを、隣に座っている下書き係に話しかけるつもりで、画面に打ち込んでみてください。

操作を覚えなくても大丈夫です。
自分の言葉で対話を始めるだけで、デスクの景色は、きっと少しやわらぎます。

ABOUT ME
error:
記事URLをコピーしました